エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

「ハハッ、やっといつものお前らしくなってきた。あっ、ここ、カクテルもあるから好きなの飲めよ。あと、デザートも色々あるし」

「……そ、そんなに食べられないわよ。それに、一人で飲んでも美味しくないし」

「明日は土曜で休みだし、俺のことは気にしなくていいから飲めよ」

「別にあんたのことなんて気にしてないし」

「やっぱ俺も飲みたくなってきたし、付き合えよ。帰りはタクシーで送るし」

「一人で帰るからいい」

「駄目に決まってんだろ。デートで彼女一人で帰らす彼氏なんかいねーよ、バーカ」

「アンタ、人のことすぐバカって言うわよね。そういうとこすっごいムカつく」

「口が悪くて悪かったなぁ。けど、お前も相当だと思うぞ。なにかってーと、そうやってすぐむかつくって言うだろ、バカの一つ覚えみてーに」

「なんですってッ!」

「あれれ、まだカレカノっていう感じじゃないと思ってたけど、二人とも息ピッタリだねぇ。もしかしてもう付き合ってたりするの?」

「いえ、別に息がピッタリってこともないですし、付き合ってる訳でもーー」

「もー、照れちゃってぇ、可愛いねぇ。はい、これサービス。お礼の代わりに今度は可愛いお友達連れて来てくれればいいから」

「……いや、別に照れてる訳じゃーーえ? あっ、それはどうも」

「かずさん、今のセクハラッ!」

「おいおい、ただの営業に焼き餅焼くなんてみっともないぞ」

「そんなんじゃねーしッ」

「はいはい、邪魔者は消えますよ。じゃあ、ごゆるりと~」

 けれども、それも最初のうちだけで、窪塚といつものように言い合っているうち料理も揃い、チキンのトマト煮や旬の野菜を使ったキッシュを始めとする美味しい料理を味わいながらスパークリングワインやカクテルなどで喉を潤し、アルコールや陽気なかずさんのお陰もあってか、しだいと緊張感も薄れて、思いの外楽しい時間を過ごしていた。
< 111 / 353 >

この作品をシェア

pagetop