エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
食事を終えて締めのデザートを味わっている時、
「厨房にちょっと挨拶してくる」
そういって席を外した窪塚と入れ替わるようにして、近くで接客をしていたかずさんがふらっと近寄ってきた。
「どう? うちの料理気に入ってもらえた?」
「はい、どのお料理もとっても美味しいです」
「そう、良かった。なら、またおいでよ」
「はい、今度は友人と一緒に来ますね」
「その言い方だと、圭とはもう来ないみたいな言い方だね」
「……いや、だってそれは、本当に私たちはただの同期なんで」
料理の感想を訊かれて話してるうち、お約束のように窪塚の話題に変わっていて、内心では、不埒な関係だというのを勘ぐられやしないだろうかとヒヤヒヤだったのだけれど。
「そっかぁ、それは残念だなぁ。あっ、ひょっとして、圭が相当遊んでそうだから敬遠してるとか?」
窪塚のことを学生の頃から知ってるせいか、やけに窪塚のことをプッシュしてくるかずさんの口から出てきた言葉に興味を引かれた私は無意識に訊きかえしていた。
「……え?」
「いやだって、アイツ見た目もイケメンだし、脳外科医だし、相当モテるだろうからさぁ。派手に遊んでそうって、敬遠されてんのかと思って」
「……いや、その」
「図星って感じだね。けど、そうでもないよ。俺の知ってる限り、学生の頃に失恋してからそれをいまだに引き摺ってるみたいでさ。でも、君のお陰でやっと吹っ切れそうなのかと思ったんだけどなぁ。まぁ、こればっかりは仕方ないよね」
おそらく、かずさんの話してくれた『失恋』というのは、窪塚が大学生になった頃お兄さんと付き合い始めたっていう、例の幼馴染みのことなのだろう。