エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
「ひゃっ!?」
「そんな過剰に反応するなよ、吃驚するだろ」
「だ、だって、こっちも吃驚したんだからしょうがないでしょッ」
「ほんとお前って、色気もクソもねーよな」
「うっさいわねぇ」
「あっ、こら、動くな」
「……わ、わかったわよ」
耳を擽るようにして触れている窪塚の指の感触と、この至近距離に堪えかねて思わず身動ぎしたのを咎められ、観念した私が言われたとおりじっと身を竦めていると。
耳朶にヒヤリとした感触がしてすぐ、何かで挟まれたような感覚を覚えた。
その正体がイヤリングか何かだと察したと同時、それがなんたるかの説明を始めた窪塚のやけに楽しげな声音が耳に流れ込んでくる。
「お前が表向きには俺の女だっていう証があった方がいいと思って、適当に選んでみた。まぁ、俺らが恋人同士を装う上での必須アイテムってことで、肌身離さずつけとくように。もし気に入らないってんなら、帰りに店寄ってお前の好きなの選び直してもいいし」
「べ、別に、そんなのなんだっていいし」
「だったらいいけどな」
窪塚曰く、私たちが恋人同士を装うための必須アイテムなのだという。
偽装工作のために毎日つけておけという命令付きの必須アイテムであるそれは、一見すると、とても間に合わせで買ったとは思えないような、純白のパールと小さな宝石があしらわれた、とてもおしゃれで綺麗なシルバーのイヤーカフだった。