エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

「はい完了。おっ、よく似合ってんじゃん」
「……」

 私の耳につけ終えたばかりのイヤーカフをえらくご満悦な様子で眺めている窪塚があんまり嬉しそうに柔和な微笑を湛えているものだから、それを至近距離で目の当たりにしてしまった私は、魅入られてしまったかのように身動ぎどころか瞬きすらままならない有様だ。

 こんなに嬉しそうな窪塚にお目にかかるのは初めてなのだから無理もない。

 今こうして私に向けているとっても嬉しそうな柔和な微笑も、一緒にいる私ではなく、例の幼馴染みのことを想ってのものかもしれない。

 このイヤーカフも、もしかしたら未だに引き摺っているらしい幼馴染みのことを想って選んだのかもしれない。

 ーー否、きっとそうに違いない。

 そう想ったら、またもや胸がギュギュッと強い力で締めつけられるようで、痛くて痛くてどうしようもないどころか、何故だか無性に泣きたくなってきて。

 それを堪えるので精一杯だった。
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