エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
――な、何よ。不意打ちで。
いきなり呼び捨てになんかするから吃驚しちゃったじゃない。
もしかして、私のこと夢にでも見てたのかな。
それにしたって、どうして呼び捨てだったんだろう?
――もしかして、窪塚も私のことを……。
幾度となく浮上してきても、勘違いだと結論づけてきた例の仮説の信憑性が一気に高まってくる。
緊張感と期待感からか、ドキドキと高鳴ってしまった胸をグッと服の胸元を掴んで抑えることでなんとか耐えしのいでいる隙に、眼前の窪塚がハッとした表情を浮かべてから慌てて身体を起こし、ベッドに背中をもたげ。
切れ長の双眸ににかかっている前髪を煩わしげに掻き上げつつ、さも何もなかったかのように呟きを落とした。
「……俺、いつの間にか寝落ちしてたんだなぁ」
「あっ、うん。そうみたい」
「俺、寝言でお前の名前呼んでなかったか?」
「……あっ、あぁ、うん」
「やっぱり。お前が気失ってたもんだからさぁ、駆けつけた警官に聴取されて、そんときにお前の名前も訊かれて。どうもそのときのこと夢で見てたみたいで、気づいたらお前が目の前にいて、吃驚した」
「そっか。なんかいろいろごめんね。迷惑かけちゃって」
――なんだ、そういうことか。
まぁ、そんなことだろうとは思ったんだ。
窪塚の言葉に納得しながらも、ちょっぴり残念がっていたりなんかして。
そんな私に背中を向けたままの窪塚から、気絶していた間のあれこれの説明を受けることとなった。