エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 そんな私に向けて窪塚からは意外な言葉がかけられて。

「……自分から慰めてくれなんて言ってきたクセに。ざまぁねーな。やっぱやめといたほうがいいんじゃないか?」

 端《はな》から一緒に入ろうとは思っていなかったことが窺える。

 おそらく、かずさんの言葉通り細やかな気配りのできるらしい窪塚は、いつもの私らしくない言動を不審に思い、出方を見定めてでもいたのだろう。

 だからって今更ながらに、自ら放った言葉を引っ込めることなんてできるはずがない。

 それに、事故に遭遇したために、あの事故の記憶と恐怖心とが呼び起こされてしまったのは事実で、ひとりになるのがどうしようもなく心細かったのだ。

 それでも、セフレでしかない窪塚のことをセックス抜きで頼ることなんてできるわけがないし。

 これ以上窪塚のことを煩わせたくないって気持ちだってある。

 それだけじゃない。素直に頼ってしまったら、窪塚への想いまでが溢れ出してしまうかもしれないのだ。

 そんなことになったら、セフレなんていう不埒な関係を解消されてしまう。

 ーーなによりそれが一番怖かった。
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