エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
おそらくそれは、窪塚の手により何度も達してしまったために、その疲労感で身体が気怠くて動くのも億劫なだけなのだろうけれど。
兎に角、ただただボンヤリと焦点の定まらない眼で窪塚のことを見つめ返すことしかできないでいた。
途端にようやく落ち着きつつあった胸の鼓動までがドクドクと早鐘を打ち始めてしまっている。
それが密着している素肌を通して窪塚にも伝わっているのかと思うと、羞恥が煽られ、もうそれだけでどうにかなってしまいそうだ。
湯船に浸かっているのと羞恥のせいで、顔も身体も熱くて熱くてどうしようもない。逆上せでもしたのか、なんだか頭までクラクラとしてきた。
ーーもうダメだ。
諦めの境地に達しかけた私が根を上げて、考えるのを放棄してしまおうとしかけたところで、もうひとりの自分の声が意識に囁きかけてくる。
向こうから付き合おうって言ってくれてるんだから、付き合っちゃえばいいじゃない。
そしたらそのうち好きになってもらえるかもしれないし。セフレでいるよりは望みだってあるんだし。
ーーもう、純情ぶってボサッとしてないで、さっさとOKしちゃいなさいよ!
唆すようなモノからキツイ口調へと打って変わったその声に、突き動かされ返事を返そうと口を開きかけた時のことだった。
さっきまでの無表情からくしゃっと破顔したものへと表情を豹変させた窪塚の静寂を蹴散らすようにして放たれた、笑いを含んだ豪快な揶揄い声がバスルームに木霊したのは。