エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
私のことを見下ろしている窪塚の漆黒の髪は、丁寧に乾かしてくれた私の髪とは違いタオルドライしただけだったせいで、僅かに湿り気を帯びている。
そのせいか、いつも以上に色香を放っているように見えてしまう。
髪の毛については、気兼ねした私の『こっちは適当でいいから自分の髪を乾かしなさいよ』という言葉に対して、『面倒臭いからいい。女にとって髪は命ってよく言うだろ。いいからじっとしてろ』そう言って窪塚が聞く耳を持たなかったからだ。
そういう、細やかな気遣いだけでなく、世話焼きでもあるらしい窪塚からすれば、取るに足らない些細なことなのかもしれない。
けれど、窪塚のことを好きだと自覚してしまった今となっては、これまでの情事とは違って、そういう様々な要素がどんどん上乗せされて、こんな風にイチイチ過剰反応を示してしまうのだから、本当に困ったもんだ。
おそらく、ここが毎日窪塚が寝起きしているベッドの上であることと、さっきの思わせぶりな発言の後だから余計だろう。
そんなこともあって、これから淫猥なことに及ぼうとしているっていうのに、この期に及んで、少しでも今にも見えそうな胸元を隠そうと身体の前でクロスさせた腕までがさっきからふるふると小刻みに震え始めてしまった。
尋常じゃない緊張感に襲われて、無意識に瞼までギュッと閉ざしてしまっている。