エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 けれど、まだまだ始まったばかり。

 否、正確には、まだ何も始まってなどいない。

 バスルームで窪塚のゴッドハンドによって施されたあれこれは、これからの淫猥な情事のための前準備に過ぎないのだから。

 この恥ずかしすぎる状況に、顔を両掌で覆い隠して、尚も瞼をギュッと閉ざして耐えしのぐことしかできないでいる私に、そのことを知らしめるかのように、窪塚は秘めたる場所に熱い呼気を勢いよくふうと吹きかけてきた。

 途端にブルルッと身体が小刻みに打ち震え、思わず悩ましい吐息を漏らし、次の攻めに備えようと身構える間もなく。

「ヤっ……はぁ、ぁああんッ!?」

 窪塚に躊躇なく喰らいつくようにしてむしゃぶりつかれてしまい、雷《いかずち》にでも撃たれてしまったかのような強烈な快感が電流のような痺れとともに全身を駆け巡る。

 眼前には、あたかも火花でも散ったかのようなはではでしい閃光が弾け飛び、悲鳴のような嬌声を放った私は、その場で大きく飛び跳ねるように身を仰け反らせた。

 その直後、ぐったりとベッドに沈み込んだ身体と四肢とをだらしなく伸ばし弛緩させたまま放心状態に陥ってしまっている。
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