エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
私がこんなにも心を乱されまくっているというのに……。
逃げ腰状態の私の腰をガッチリと片腕だけで自身の身体に引き寄せて固定している窪塚は、尚も逃がしてなるものかというように、右手で私の顎先を捉えたままで。
『いつもの威勢はどうした? ほら、早く文句の一つでも言ってみろよ』
とでも言うように、相も変わらず欲情と熱を宿した強い眼差しで、射貫くようにして、無言の圧力をかけてくる。
さっきまであんなに余裕なさげだったクセに。
ーーなんなの? 急に。メチャメチャ腹が立つんですけど……!
なんて、胸の内で盛大な悪態をついてしまうのは。
ちょっと呼び捨てにされたくらいで、胸をキュンとときめかせて、全身をこれでもかってくらいに紅潮させてしまっている自分のちっとも穏やかじゃない胸中の落ち着きをなんとか取り戻そうと必死だからだ。
たかだか呼び捨て攻撃を一発お見舞いされたくらいで、こんな有様では先が思いやられる。