エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
今日は土曜日のため、定期的に巡回してくる当直や入院中の担当患者の急変での呼び出しやピンチヒッターなどで当直業務を余儀なくされることを除けば仕事は基本的に休みとなっている。
けれど、日々の業務のなかでもついつい後回しになって滞ってしまってしまいがちな事務作業を少しでも進めておきたくて、セミナーの前に勤め先である光石総合病院の総合内科の医局に赴いていた。
休みの日にわざわざ職場に出てくるのは結構骨が折れるけれど、午後からは大学病院で開催されるセミナーもあるので、それまで時間を潰すのにちょうどいいかなと思ってのことだ。
私が属している総合内科は急性期病棟のそれとは違い、だいたいが外来患者の診察などが主なため、休日に医局にいる医師はほんの一握りにすぎない。
その内訳は、当直中の医師だったり私と同じ専攻医や研修医だったり、今の私のように時折上級医が溜まった事務作業に勤しんでいるくらいだった。
普段のせかせかとした慌ただしい空気感とは違い、とても静かで時間の流れもゆったりと感じられて、事務作業に没頭するにはもってこいの環境となっている。
そんなこともあり、以前から、仕事終わりだったり、当直明けだったり、気になることを調べたりしているうちに集中しすぎて、気づけば日付が変わっていた。なんてこともままあって、数えたらキリがないくらいだ。
そういえば、メインストリートでのあのキスの一件があった日も、そうだったんだっけ。
ーーなんか懐かしいなぁ。
あれから、まだ三ヶ月ほどしか経っていないというのに、なんだかひどく懐かしく感じられる。