エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 午後になり昼食も済ませて、そろそろ向かおうかと、羽田と一緒に病院の裏手にある職員専用の駐車スペースに辿り着いたところで、なんとなく感じていた嫌な予感が的中することとなった。

 どういうことかというと、羽田が他の研修医も一緒だからということで致し方なく了承したにもかかわらず。

 自分の車の前で立ち止まった羽田が神妙な面持ちを携えて、唐突に、他の研修医が来られなくなったと言い出したのだ。

「すみません。実は、さっき連絡があって。急な用事ができて行けなくなったみたいなんですよ。でも、今からだと時間的にも余裕がないし、一緒に行きましょうよ。ね? 鈴先生」

 表情こそ申し訳なさそうにしているけど、目が喜んでいるようにしか見えないんですけど。

 おそらく、いいや、絶対に。最初からそのつもりだったに違いない。

 けれども、確かに、羽田が言うように、時間的にもう余裕はなさそうだ。

 けどいくら表向きだとは言え、窪塚とはカレカノなんだし、窪塚以外の男の車なんかに、ふたりっきりで乗っちゃまずいんじゃないだろうか。

 ーー否、彼氏以外の男の車にひとりで乗り込むなんて絶対にまずいでしょッ! 
 私だって、窪塚が私以外の女の子を車に乗せるなんて絶対嫌だし。想像もしたくないーー。
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