エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
当然そういう前提ありきで言ってるんだと思っていたのに、私の言葉に驚いた様子の窪塚からのこれまた予想外な言葉に、私はまたもや落胆させられることとなった。
「あっ、あー否、今日はそういうことする気分じゃねーから、期待には応えらんねーわ。わりぃ」
ーーな、何よ。その言い方だと、私だけがそういうことをしたいって思ってたみたいじゃないか。
否、正直言うと、今日はセミナーで窪塚と会えたら、少しでもいいから窪塚と話したい、少しでもいいから触れあいたいって、こっそり期待していたから余計にショックだった。
そうはいっても、窪塚はずっと忙しかったんだし、徹夜だった訳なんだし。
一刻も早く休ませてあげたいーーという気持ちだってある。
だから私は、自分の邪心を心の奥底に無理くり押しやって。
「……ちょ、ちょっと。誤解しないでよねッ! 別に私はそういうことがしたくて言ったわけじゃないから。言葉の綾だから」
自分でも少々苦しいとは思いながらも、そうやって言い訳を放つより他に術などなかったのだけれど。
「……ん? あっ、ああ。じゃあ、頼むわ」
徹夜明けだったのと運転中だったせいか、窪塚は私の言葉に一瞬だけ不思議そうにキョトンとしただけで、すぐに納得してくれて、事なきを得たことに、私は心底安堵することができたのだった。