エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
ちょうど一月前、窪塚との初デートからの初めてのお泊まりの際に、これまた初めて窪塚の寝顔を拝んだのを入れると、今回が三度目のご対面となる。
一度目は、事故に遭遇して意識を失った私が窪塚のベッドで目を覚ましたときで、二度目は、初めての朝を迎えて、私と一緒に窪塚が二度寝してしまったときのことだ。
ただのセフレでしかない私たちには、もうあんな風に一緒に部屋で過ごすことも、朝を迎えることも、もう二度とないんだと思っていた。
だから、そのときのことを時間が経ってもちゃんと思い出せるように、しっかりと目に焼き付けていたのに。
まさか、三度目があるなんて、思いもしなかったし。
こんな風に、また窪塚が運転する車の助手席に乗って、マンションにまで来ることになるなんて、思ってもみなかったことだった。
それなのに、今こうして、私の膝の上で寝落ちしてしまった窪塚の無防備な可愛らしい寝顔を誰にも邪魔されることなく眺めていられるなんて、本当に夢みたい。
幸いなことに、まだエンジンを切ったばかりだったこともあり、車内の温度も快適な温度で保たれていて、もうしばらくはこのままでいられそうだ。
ーーもうずっとずっとずーっとこうしていられたらいいのになぁ。
そんなことを神にでも祈るような心持ちで密かに願いつつ、スヤスヤと気持ちよさそうに静かに眠り続けている窪塚のあどけない寝顔を堪能しながら、窪塚の頭をそうっと撫でていた時のことだ。