エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
そうやってさっきから俺は、ギムレットを飲んでいる藤堂の話が途切れてグラスに口をつけるたびに、人知れず情けないことを願っていた。
そんな俺は、とてもじゃないが素面なんかでいられるかと、マティーニを五杯ほど飲んでいるというのに、親父譲りの酒の強さが災いして一向に酔えないでいる。
ーーあー、早く帰りて〜。
表向きには、なんとかお得意のポーカーフェイスを決め込んではいるが、内心ではとうとう泣き言をほざいていた。
……とその時、バーテンに作ってもらったばかりのギムレットをクイッと一息に煽った藤堂がカウンター内のバーテンに再び、
「もう一杯だけ同じものを」
そう告げてから、さっきまでにこやかだった笑顔をすっと引っ込めてしまった。
どうやらここからが本題らしい。