エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 まったく何を考えているのか、この男は。

 暢気というか、マイペースというか……。

 ううん、この男が何を考えていようが知ったこっちゃない。

 ーーもういい加減に解放してほしい。

「ちょっと、窪塚。どいてっていってんだけど」

 ようやく乱れた息も整ってきて、冷静さも取り戻してきた私が動こうとしない窪塚に業を煮やしているところへ、ようやく窪塚の声が届いたのだが。

「……やっぱり、相当ご無沙汰だったんだなぁ。だからあんなにキツかったって訳か。まぁ、確かにお前って、今と変わらず学生の頃から勉強一筋の堅物だったもんなぁ。で、いつぶりだったんだ?」

「ーーッ!?」

 まさか、そんなことを訊かれるなんて思ってもいなかったし。

 このゲス男に、一番触れて欲しくなかった事柄だったために、不覚にも私は言葉を失ってしまうという大失態を犯してしまうのだった。

 そこへ、これまた思ってもみなかった言葉が窪塚の口から再び飛び出してきてしまい。

「おいおい、いくらお前が堅物だからって処女じゃあるましいし、そんなに驚くことないだろう? っていっても無理か。今も変わらず、男好きのする見かけと違って、中身は根っからの堅物女って感じだもんなぁ」

 不覚にも、ギクッとしてしまった私の心拍数が計測不可能なくらい、振り切らんばかりに大きく跳ね上がってしまっていて、最早瀕死の状態だ。
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