エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
あれからすぐに、藤堂と共にバーテンに騒ぎを起こしたことを詫びてから、店の隅のテーブル席に移動させてもらって、四角いテーブルを挟んで向かい合い、藤堂から医大生の頃にはじまり、昨夜に至るまでのことを聞かされているところだ。
藤堂の話によると、さっきの話同様に、俺の鼻を明かすために高梨と付き合っているうち、何にでも真剣で純真な高梨のことを好きになっていったらしい。
けれど、高梨は勉強まっしぐらで、恋愛ごとにも疎くて、俺のことを意識していたらしいのに、全くといっていいほど、本人には自覚がなかったようだ。
といっても、それは周囲の憶測であって、実のところ高梨が俺のことをどう思っていたかなんて、本人にしかわからないとは思うのだが。
驚くことに、あの頃、俺と高梨がお互いに意識し合っていたことは、周知の事実となっていたらしい。
それについては、ついさっき藤堂から、『お前らは似たもの同士で鈍感すぎる』と言われて笑い飛ばされてしまったところだ。
けれども、事実、そんなこと全く知らなかったので、少々不服だが、その通りなのかもしれない。