エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
それに、『ここまで来たら何年だって待つ』なんて言ってくるんだもん。
その言葉がすべてを物語っているように思えた。
残念なことに、記憶は残っていないが、オープンキャンパスの時からってことは、あの幼馴染みの話も嘘だったということなのだろう。
そんなにも長い間、私のことだけを想ってくれていたんだ。
今にして思えば、確かに、窪塚はいつも私に対して素っ気なくて、私はずっと嫌われているんだと思っていた。
けど、あれは私のことを意識してたからだったんだ。
だったら、医大生の頃から、知らない間に窪塚のことを好きになってしまっていた私と同じ気持ちだったってことになる。
あの頃から、ずっと両片想いだったなんて、夢のようだ。
こんなの、嬉しいに決まってる。
そのせいか、ちょっと窪塚の胸に抱き寄せられたくらいで、オーバーヒート寸前だったのが嘘みたいに、途端に身も心も落ち着きを取り戻し、今はこんなにもキュンと胸をときめかせてしまっているなんて、本当に自分でも吃驚だ。
どうやら恋の威力には、凄まじいパワーが秘められているらしい。
そのことを証明でもするかのように、私のことをしっかりと胸に抱き寄せてくれている窪塚に向けて。
「窪塚。アンタ、バカなの? ちょっと待ってって言っただけでしょうが。そうでなきゃ、私が待てない。この二週間、私だって窪塚に逢いたくて逢いたくてどうしようもなかったんだもん」
しょげている窪塚に向けて渇を入れるためにも、強い口調で声を放つも、窪塚への想いが溢れてきて、いつしかその声は微かに震えてしまっていた。
けれど、こんなところで泣いている場合ではない。
ちゃんと前に進むためにも、まずはあの夜の決着をつけなければいけないはずだ。
窪塚への想いと、恋の威力に後押しされて、ようやく冷静さを取り戻した私は、今度こそ覚悟を決めて窪塚に真っ直ぐに声を放っていた。
「それに、窪塚が嘘ついたのだって、私のせいでもあるんだろうし。兎に角、全部聞くから話して」