エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
まずは、あの夜、どういうきっかけで私と窪塚が一緒に過ごすことになったのかを話してもらった。
まさか、酔った勢いで、自分から二人組の柄の悪い男に絡んでいたとは思わなくて、驚きはしたものの。
当初、窪塚からも言われたとおり、睡眠不足とストレスのせいでずいぶんと酔っていたからだとすぐに納得に至ったが、好きな相手から聞かされると、恥ずかしいなんてものじゃなかった。
けれど、まだまだこれからなのだ。
おそらく私のやらかしは、こんなもんじゃないはず。
「////……そ、そう。確かにあの頃は、専攻医になりたてで、いきなり担当患者任されたりして時間に追わてたから、勉強時間を捻出するのに睡眠時間削ってたし、ストレスも溜まってたから、ずいぶん酔ってたんだろうとは思ってたけど……。そっか、ありがとう」
「否、酒に酔った上でのことだし、すぐに解決したしな」
窪塚は特に気にした風ではなかったけれど、窪塚に向けて、しっかりとお礼を言ってから、私はこれから聞かされるであろう、自分のやらかしを聞くために、今一度ゴクリと生唾を飲み下してから、窪塚の胸にギュッとしがみつき気合いを入れ直した。
そこへ窪塚によって続けざまに放たれたアレコレというのは、あの夜の記憶がない私にとっては驚きの連続だった。その話とは……。
喧嘩をふっかけた際に割って入って助けてくれた窪塚の腕を自らグイグイ引き寄せ歩き始めたらしいのだが、気持ち悪くなってしゃがみ込み、近くにあったラブの付くホテルを指さしたのだという。
窪塚は、やむを得ないとはいえ、そんなところに長年恋い焦がれてきた私のことを連れ込むことに躊躇していたらしいが、一刻の猶予もなくなり致し方なく入ることにしたらしい。
そして、そのことで罪悪感に苛まれていたせいで頭を抱え込んでいた窪塚に対して、トイレからスッキリして帰ってきた私が、
『窪塚? アンタさっきから頭抱えて何やってんのよ?』
そう言って声をかけたことによって、
『あっ、ああ。失恋してちょっと落ち込んでただけだから気にするな』
私が藤堂のことをずっと引き摺っているから、こんなにも酔っているのだと思い込んでいたらしい窪塚が、思わず本当のことを零してしまったことで。
酷く驚いていたらしい私は、
『で、どんな人? もしかして、私も知ってる人だったりするの? あっ、もしかして、彩だったりして? ねぇ、どうなのよ? ねぇ、窪塚~』
そう言って食い気味に返した言葉通り、窪塚の失恋にえらく関心を持っていたらしいのだ。
まぁ、それは、無意識のうちに窪塚のことを好きだった所以なのだろう。