エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 窪塚からの言葉に、羞恥などスッカリ忘れた私が感激しきりで。

そうか。窪塚と本物の恋人同士になれるんだ。

 もうセフレなんていう不埒な関係でも、偽物のカレカノでもないんだ。

 ーーうわぁ! 夢みたい。

 そんなことを思っていると、窪塚が身動ぎする気配がしてすぐのことだ。

 あろうことか、窪塚が私のことを胸から引き剥がしにかかったではないか。

「ギャッ!?」
「だから、そんなことでイチイチ落ち込んだりしてねーで、あの夜の決着つけさせてくれよ?」

 いつもの如く、色気の欠片もない声を放った私のことなど気にもとめずに、今度は熱のこもった強い眼差しで真っ直ぐに私のことを捉えたままで放ってきた窪塚の言葉で。

 ーーそ、そうだった。

 こんなことで羞恥に悶えてる場合でも、落ち込んでる場合でもなかったんだった。

 一刻も早くあの夜の決着をつけて、窪塚とちゃんと向き合わなくちゃ、前に進めない。

 ようやく、そのことに気づかされた私を待っていたのは、ぎゅぎゅうっと私のことを今一度しっかりと腕に閉じ込めた窪塚の抱擁だった。

「え? 何よ、急に。話の続きはどうしたのよ?」

 さっきも同じとこがあったなと思いつつも、今度はどうしたのかと声を放った私に対して、窪塚は少々バツ悪そうな声で応えてくれて。

「ああ。わかってるんだけどさぁ。お前があんまり可愛い反応ばっか見せるもんだから、つい。悪い」

 何度目であろうとも、窪塚の言動のどれもこれもが、窪塚の私への気持ちの表れだと思うと、もうそれだけで堪らない心持ちになってくる。

「……ううん。私もこうしていたいから。いいよ? このままで話してくれて」

 結局は、窪塚のことをどうしようもなく好きになってしまっている私は、さっきまでよりも強い力で抱きしめてくれている窪塚の腕の中で、あの夜のアレコレの決着をつけることとなったのだった。

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