エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 窪塚の腕の中で、これでもかと小さく身を竦ませて猛省し、謝罪の言葉を繰り返すことしかできないでいる私の背中を窪塚はそっと優しく撫で続けてくれていた。

 そこに、窪塚の落ち着いた低い声音が身体を通してあたたかなぬくもりと一緒にじんわりと伝わってくる。

「まぁ、確かに。長年片想いしてきたお前に言われた言葉は、どんなモノであろうと特別だからな。相当ショックだったのは確かだ」

 ーーそりゃ、そうだよね。

 私だったら、そんなこと言われちゃったら、立ち直れないもん。

「ホントに、ごめんなさい」

 私は尚も小さくなって、謝罪の言葉を呪文のように唱えることしかできないでいた。

 すると今度は、さっきまでの嬉しそうだったモノとは違って、やけに真面目な口調で話し始めた窪塚の言葉に、まだ他にも何かあるのだと悟った私は、そこでようやく顔を上げることとなって。

「否、俺は別にお前だけに謝って欲しくて話した訳じゃないんだ。だから、いつまでもそんなに落ち込まなくていいからさ、俺の話を最後まで聞いてくれないか?」
「……わかった」

 窪塚のことを真っ直ぐに見つめ返しつつ答えてみせた私の言葉を皮切りに窪塚の話は再開されたのだった。
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