エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
「いくらショックだったからって、いくら兄貴の結婚式があったからって、あんな場所にお前のことをひとりで置き去りにして、こんなにも拗らせたのは俺のせいだ。
俺が意気地がなかったばっかりに、嘘を重ねて、嫌な思いさせてしまって本当に悪かった。それに、親父さんとの約束にしたって、お前の意見無視して、本当に悪かった」
けれども、それは、窪塚からの謝罪の言葉だったので、私は即座に異議申し立てをして、再び謝罪を述べたことにより、いつもの押し問答が繰り広げられることとなって。
「何言ってんのよ? 元々、私が招いちゃったことじゃない。ずっと好きだった人にそんなこと言われちゃったら、私だったらショックで立ち直れないわよ。父親のことだって私のためだったんだし。こっちこそ変なことに巻き込んじゃって、本当にごめんなさい」
「だからそれは、お前のせいじゃない。俺が悪かったって言ってんじゃん」
「違うッ! ずっとずっと窪塚のこと好きなことにも気づかないでいた私のせいだってば。挙げ句、この歳で処女だって思われるのが嫌だったからって、あんなこと言ってたなんて。本当にごめんなさい」
その押し問答がどこまでも続くのかと思いきや……。
いつもの如く、酔ったときもそうだったようだけれど、言わなくてもいいような、余計なひと言を喋ってしまうクセがあるらしい私の『処女だった』発言によって、風向きが変わることと相成ってしまい。
「へぇ、処女だったんだなぁ。てことは、俺と一緒じゃん」
途端に、喜色満面でニヤついた顔の窪塚が嬉しそうな声音で、そんなことを言ってきたもんだから。
「////……そ、そうよ。あの夜まで、キス以上の経験なんてない、正真正銘の処女だったわよ。笑ってもいいわよ? 笑われても仕方ないこと散々やらかしちゃったんだからッ」
たちまち、カアッと顔どころか全身真っ赤に紅潮させつつも、口では相も変わらず可愛げのないことを放つという、安定の可愛げのなさだ。