エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
この前といい、今といい、これまでの言動から、相当遊びまくっているのだろう窪塚にとって、処女に手を出してしまったことがショックだったのか、それとも責任でも感じてしまっていたのか。
私の言葉を聞いた途端、窪塚はえらく安堵したような表情を浮かべて胸まで撫で下ろしている。
信じてもらえたようでホッとはしたが、なんとも複雑な心境で窪塚を見やっていると。
今度は、何やら面白くなさそうな声音で、問いかけるでもなく独り言ちるようにして。
「……なら、やっぱり、相手は医大の同期の藤堂《とうどう》ってとこか」
窪塚が口にした名前に、私の心臓がドックンと一際大きな音を奏でた。
藤堂とは、同じ医大の同期で、現在は大学病院で窪塚と同じ脳神経外科の外科医として勤務している、藤堂渉のことで、私にとっては医大生の頃の元カレだった人物だ。
藤堂は窪塚と常にトップ争いをしていたほどの成績優秀者で、これはあくまでも私の主観だけれど、一匹狼の如く周りと必要以上に群れることを嫌っていた窪塚とは違い、藤堂は面倒見も良く、気さくで明るい性格だったことから、男女関係なく友人も多く、同期の中ではリーダー的存在だった。