エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 医大の頃よりずっと、『外科医になるべくして生まれてきた天才』だとか『脳外の貴公子』なんて、もてはやされてきた窪塚には、失恋や悩みなんてものは無縁だと思っていたのに。

 以外にも一途だったり、失恋したりと、人並みに想い悩むことがあったのだと分かり、見直したというか虚を突かれたというか。

 これまで私が窪塚に対して勝手に抱いてしまってた悪い印象のどれもこれもが、少なからず私が持ってしまってた偏見所以なのだということは分かった。

 だからって、まだ窪塚のことをよくは知らないので、全てがそうだとは断言できないし。

 ここに来る直前の、あの強引なキスの件もあるのだし、私にセフレを強要しようとしている件もあるので、それを全部水に流すことは当然できはしないが。

 少なくとも、チャラいなんて思ったことに関しては、改めてあげることにした。

 それから、この前の夜の行為に関しては、久方ぶりだったらしい窪塚とは違って、私にとっては初めてのことだった訳なのだが。

 記憶も定かじゃないし、二十七を目前にして処女だったのかと思われるのも嫌だし、なにより窪塚は気づいていないようなので、これ幸いと話は合わせておいた。
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