エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
腹が立つとはいえ、自ら『さっさと済ませなさいよ』と言っちゃったことから、こんな状況になってしまっている訳で。
だからって、どうすることもできず、これ以上の密着を避けるためにも大人しく息を潜めて、ただただ窪塚にされるがまま身を任せていることしかできないのだけれど。
耳元に顔を埋めたままの窪塚は尚も私のことを自身の広くて厚い胸へと抱き寄せると、慣れた手つきで、私の背中に腕を沿わせるようにしてあてがってきて、優しく宥めるようにゆっくりと背中を上下に撫で始めてしまった。
さっきの言葉からして、私が必死になってひた隠しにしている不安な気持ちを汲み取って、それを和らげようとでもしているのだろう。
ーーそんなもん、余計なお世話だ。
窪塚に気遣ってなんかもらっても、ちっとも嬉しくない。
だいたい、ゲッスいこと言って脅してきたのは窪塚なんだから。
それなのに、罪悪感か温情か、何なのかは知らないけど、こんな変態クス男になんか施しを受けるなんてまっぴらご免だーー。
このように、窪塚に対する憤りが羞恥や緊張感よりも膨れ上がった頃。
こういうことに不慣れな私のことをまたまた安心でもさせるかのようにして、窪塚が優しい声音で囁きかけてきた。
「この前は、久しぶりだったし酔ってたのもあって、余裕なかったけどさ。これからは、不慣れなお前のペースに合わせて、好きな女を抱いてるつもりになって精一杯優しくするから安心しろって。な?」