エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
それに、さっきから、藤堂、藤堂って、なんなの? もしかして嫉妬でもしてんの? って、そんな訳ないか。
トップ争いしてたっていっても、それは周囲の私たちが勝手にそう言ってただけだったし、いつも窪塚の一人勝ちだったから、藤堂のことをライバル視してた風には見えなかった。
もしかして、藤堂のことが嫌いだったとか?
うーん、よく分かんないけど、何かあるんだったら、それを利用しない手はない。
運良く、窪塚の弱点でも出てきたらそれこそ、棚ぼただし。
窪塚にいいように弄ばれてばかりいるのは癪だ。
「うっさいわねッ! さっきからなんなの? 藤堂、藤堂って。もしかして(自分とはタイプの違う藤堂に)嫉妬でもしてんの?」
最後のあがきではないが、窪塚になんでもいいから反撃してやろうと放った途端。
今の今まで余裕綽々で私のことを攻め立てていた窪塚が突如ハッとし、虚でも突かれたような表情をしたまま固まってしまった。
ーーなんなのよ? 急に。
けれども、それも時間にしておそらく数秒ほどのことだ。
すぐに我に返った様子の窪塚から、予想外の反応を見せた窪塚のことを見据えたままでいる私の元に、「ハハッ」なんて軽く笑い飛ばすような声音が届いた直後、これ以上にないくらいに偉そうな上から口調と恩着せがましい言葉が投下されたのだった。
「バーカ。誰が嫉妬なんてするかよ。俺はただ、藤堂みたいに誰彼構わず愛想振りまいてヘラヘラしてるヤツが昔っから嫌いなだけだ。だからこそ、藤堂のことを未だに未練がましく引き摺ってるお前のことが不憫でしょうがなくて、親切心から忘れさせてやるっつってんだから、ありがたく思え」