エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。
何がありがたく思えよ。人のこと馬鹿にして。
どうしてあんたになんか感謝しなきゃなんないのよ。ほんと頭くる。
ギリと奥歯を噛みしめて窪塚のことを睨みつけて、窪塚に反撃する手立てはないものかと勘案していた私だったのだが……。
そうしている私の隙でも突くかのような絶妙なタイミングで私の顎を手で捉え、正面から見据えて、
「そんなにカッカして眉間に皺なんて寄せてると、可愛い顔が台無しだぞ」
「うっさいわねッ! 大きなお世話よッ!」
心底愉しげに揶揄うような口ぶりでそう言ってきた窪塚に、カチンときてしまった私が顔をプイッと思いっきり背けて手を払いのけた瞬間。
「おっと、あっぶねぇ」
なんて言って手を引っ込め、大袈裟に怖がる素振りを見せた窪塚にますます怒りが込み上げてくる。
それなのに、窪塚はわざと私の怒りを煽るようなことをヌケヌケと抜かしてきて。
「粋がっちゃって。でも、そういういつも気の強いお前が俺の手でよがる姿が堪んないんだよなぁ。この前もキスだけでふにゃふにゃになってたし……つっても覚えてないだろうから、それも今から思い出させてやるよ」
またもやニヤリとした黒い微笑を湛え鼻先スレスレまでぐっと迫ってくる。
吐息のかかりそうな至近距離に私の胸の鼓動がドクンと派手な音を立てた時には、窪塚の形のいい唇によって私のそれは綺麗さっぱり奪われてしまっていた。
「ーーんッ!?」
逃れたくとも、窪塚の逞しい腕によって後頭部も身体もしっかりと抱き込まれているせいで、逃げることなんてできない。
そこへ、逃がすか、と言わんばかりに、窪塚が唇の微かな隙から咥内へと強引に捻じ込むようにして、我が物顔で舌を挿し入れてきた。