エリート外科医の不埒な純愛ラプソディ。

 真意を探ってやろうと、眼前の窪塚の顔をじっと見つめ返すも、当然のことながら、何も読み取れない。

 そこに、畳みかけるようにして、窪塚が繰り出してきた次の言葉によって、得心することになるのだが……。

「お前は俺のこと嫌ってるだろうけど。付き合いも長いし、俺はお前のこと、同期としても、もちろん医者としても信頼してる。なにより、お前ならピル飲んでて妊娠させる心配もない。

お互い割り切った関係でいるなら、リスクは少ないにこしたことないだろう? だからお前じゃないとダメだってことだ。

それに、ずっとって訳じゃない。お互いに好きな相手ができたら、その時は画像も消去するし、セフレも解消してやるよ」

 ーーなんだ、そういうことか。

 ハッ!? ちょっと。なんだ……って何よ。何がっかりしちゃってんのよ!

 もう、ヤダ。さっき派手にイカされて、いくら頭の機能が正常じゃないからって、窪塚に『信頼してる』なんて言われたくらいで調子狂わすなんて、何やってんの私。

 ーーここは冷静にならないと。

 画像の件がある以上、嫌でも、窪塚に従わないといけないけれど。

 一応、期間も、お互いに好きな相手ができるまで、ということにもなったんだし、一先ず良しとしよう。

 それに、私だって、今は恋愛なんてしてるような暇なんてないから考えられないけど、そのうち素敵な人が現れないとも限らない。

 窪塚は、『脳外の貴公子』なんて呼ばれてるくらいだから、すぐにそういう相手もできるだろうし。

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