愛され、囲われ、堕ちていく
「裕くんを殺したこと、後悔してる?」

「………してねぇよ。
また同じようなことがあったとしても、同じことする」
「そう…」
「でも……」
「………」
「裕隆を殺すつもりはなかった。やっぱり俺の大切な仲間で親友だったんだから。
今更、信じてもらえないだろうけど。
ただアイツが最期にあんな挑発して、俺に凪を託すようなことしたから、殺した」
「え……?」
びっくりしたように、その場の全員が伊織を見た。

「託す?」
「アイツ、いつも言ってた。
俺は争いが嫌いだし、力も弱いからいつか凪を傷つけそうだって!
だったら、伊織に凪を託したいって!
アイツは、自分自身のせいで凪が傷ついたり、死ぬようなことになることを恐れてた。
あの時、 HPと他のチームとの抗争がひかえてたから、逃げたいって言ってたんだ。
だから、アイツは………」

「まさか、裕隆……わざとに…?」
「わからない。でも……やっぱ卑怯だ!裕隆!」

「伊織」
「ん?」
「私は、裕くんがほんとに大好きだった」
「うん」
「将来、裕くんが20になったら結婚しようって言ってたの」
「うん」
「裕くんが亡くなって、何度も死のうとした。
でも、出来なかった。
そんな私を支えてくれたのが、伊織だった」
「………」
「伊織がいなかったら、とっくに死んでた」
「……凪?」
「私……
………伊織が好き」
「凪……?」
「最低だって思うけど、伊織のおかげで生きてこれたのは、ほんとだから」

「それでも私は、伊織といたい」
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