不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
 


「しょうがないだろ、愛しい妻がそばにいたら触れたくなる。普通のことだ」

「それ、昨日も言ってたけど、今までだって同じ状況だったのに我慢してたってこと?」

「当たり前だろ。本当はもうずっと前から牡丹を抱きたかったのに、そこだけは自重し続けた自分を褒めてやりたい」


 最早、開き直ってるし。

 まぁ、灯らしいと言えば灯らしいけれど、まだ慣れない私はただ黙って赤面するしかなかった。

 でも、朝からそんな馬鹿馬鹿しい話をしながら病院までの道のりを歩いたおかげで、このあとの検診についてマイナスなことを考えずに済んだ。





「あ……そろそろみたい」


 そうして病院に着いて受付を済ませ、待合室で待っていれば、予約時間から十五分が過ぎたくらいで診察の順番が回ってきた。

 待合室の上部に備え付けられたモニターに番号が表示されたということは、もうすぐ名前を呼ばれるから診察室の前にある椅子に座って待っていろという意味なのだ。

 灯とふたりで移動して、診察室の前の椅子に私だけが腰掛けた。

 検診のとき、灯は基本的には座らない。いつも周りの様子を見ながら、自分が他の妊婦さんや患者さんの邪魔にならないようにと最大限に気を配っているんだ。

 
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