不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「俺から森に頼むなんて、死んでも嫌だ」
「え?」
でも、灯の返答は予想外のものだった。
「なんで俺が、そんな面倒事に付き合わされなきゃいけないわけ? っていうか、牡丹のお母さんが森に会いに来て迷惑かけようが、俺の知ったことじゃないし」
「と、灯……?」
吐き捨てるように言った灯は、それまで見たことがないくらいに冷たい目をしていた。
背中を嫌な汗がつたい、悪い夢でも見ているんじゃないかと思った。
「そもそも、森みたいな奴が牡丹を相手にするわけないのにな。逆に俺から牡丹のお母さんに、そう言ってやろうか?」
「なんでそんなこと言うの……?」
戸惑いと絶望に胸が覆われ、声が震えた。
ショックで青褪めた私を見て口端を上げて笑った灯の顔は悪魔のようで、息が止まりそうになったことを覚えている。
「話ってそれだけ? くだらないことで喧嘩なんてしてないで、さっさと家に帰ってお母さんに謝ったら?」
灯は膝に手を置き前かがみになると、私から目をそらした。
無感情を表したかのような灯の様子に、だんだんと身体の奥から燃えるような怒りが湧き上がってきた。