不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
けれど灯は約十年前に公園でした宣言通り、私を妻に娶り、藤嶋家の一員として迎え入れた。
ただ責任感が強いだけなのか、それとも気まぐれの延長で結婚までしたのかはわからない。
ただ仕事について、フロントの仕事は好きだし結婚しても続けたいと言ったら特に否定することなく了承してくれたので、それだけは唯一、灯に対して感謝している。
「なんで私だったんだろう……」
悲しいことに独り言が止まらない。
結局、精神的にも肉体的にも疲れきっていた私は、ソファの上で目を閉じたが最後、そのまま深い眠りに落ちてしまった。
「……ん、あれ? 今何時?」
そうして目が覚めた頃には、時刻は深夜二時をまわっていた。
ゆっくりと身体を起こしたら、かけられていた毛布が胸元からずり落ちて目を見張る。
「あれ? 私、毛布なんてかけてたっけ……」
「起きたのか」
そのとき、聞き慣れた声が背後から聞こえて、思わずビクリと肩が跳ねた。
「と、灯? 帰ってたの?」
振り向けばスーツのジャケットとベストを脱いだ、シャツ姿の灯が立っていた。
緩められたネクタイが、やけに色っぽい。不意打ちで目が合ったせいで、ドキンと胸が高鳴った。