不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
『ほら、わかったら、牡丹はさっさと家に帰れよ』
『……なんで』
『え?』
『なんで、灯がこんなことされなきゃいけないの? だって、灯はこんなことされるようなこと、絶対にしないでしょ? それなのに、どうして灯がこんな目に遭わなきゃいけないの……』
思わぬ言葉に驚いて顔を上げれば、何故か目に涙をためた牡丹と目があった。
牡丹は無条件で俺を信じて、俺は嫌がらせを受けるようなことはしない人間だと断言した。
『や、やだ。こんなの絶対、許せない……っ』
『な、なんで牡丹が怒るんだよ……っていうか、どうして泣いてるんだよ』
『うう〜〜っ、だって、悔しいんだもんっ。なんで、灯が辛い思いをしなきゃいけないの? 灯は絶対絶対、悪くないのに!』
とうとう牡丹は、俺の代わりに声を上げて泣きはじめた。
ガキのくせにプライドばかり高くて本音を曝け出せなかった俺は、牡丹が自分の代わりにイジメっ子たちに怒って泣いてくれたことが嬉しかったんだ。
何より、牡丹だけは何があっても自分の味方でいてくれると思ったら、心の底から救われた気持ちになった。