不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
 

 まるで、二日酔いでもしているんじゃないかという不快感と吐き気に襲われた。

 当然、昨日はお酒なんて飲んでいないし、早めに寝たから本来なら快調なはずなのに……。

 とにかく、一旦水を飲んで落ち着こう。

 そう思って身体をちょっと動かしたら目眩がして、思わずベッドの上で口元を押さえて固まった。

 何これ……私、昨日なにか変なものでも食べた?

 食あたりかもしれない。

 どちらにせよ水分補給をしなきゃ……と、もう一度身体をよじってベッドから足をおろしたところで、私はサイドテーブルに〝あるもの〟が置いてあることに気がついて目を止めた。


「なんで、こんなところに水があるの……?」


 テーブルの上には五○○mlの天然水のペットボトルが二本、置いてあった。

 もちろん私は昨夜、こんなところに水を置いて寝ていない。

 ……ってことは、もしかして灯が?

 私の体調が悪いというメッセージを読み、わざわざ買ってきてくれたんだろうか。


「う……っ」


 どうして、そんなことをしてくれたの? ただの気まぐれ?

 ついあれこれと考えそうになったけれど、すぐにまた吐き気に襲われた私は用意されていたペットボトルの水を有り難く受け取った。

 そして、嫌な感じを胃の中に押し込むように水で喉を潤した。

 よかった……これで少しは落ち着くかも。

 なんて思ったのも束の間で、すぐにまた吐き気に襲われた私は、携帯電話を片手にどうにか寝室を出ると、そのままトイレに駆け込んだ。

 
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