不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「う……っ、は、ぁ、気持ち悪……」
そして便座を抱え込むようにしてしゃがみこむと、喉の奥からせり上がってくるものを必死に吐き出そうとした。
でも、どんなに気持ち悪くて吐きたいと思っても何も出てこない。
昨日の夜は何も食べずに寝たし、今だって水を一口飲んだだけだから吐き出せるものが胃の中にないんだ。
それなのに、ぐるぐるとした胃の不快感はやまない。
こんなんじゃ、今日は仕事に行くのはとても無理そう……。
そう判断した私はとりあえず職場に電話をかけると、電話口に出た相手に体調不良で休ませてほしいということを伝えた。
灯にも連絡したほうがいいのかな……?
でも確か、今日は大切な商談があると言っていたような気がする。
それに私が休んだことは職場の誰かを通して耳にするかもしれないから、とりあえず連絡しなくても問題はないだろう。
とにかく今は、どうにかして病院に行かないと。
だけど動こうにも吐き気が酷いせいで思うように動けなくて、結局日中はほぼ行動ができずにトイレで膝を抱えていた。
「はぁ……最悪」
気がつくと部屋には西日が指し、そろそろ夜がやってくる。
ようやく少しだけ動く気になれたのでキッチンに置いてあったロールパンをかじったら、ほんのちょっと吐き気が落ち着いたような気がした。
そして体調が回復した隙に近くの内科の個人病院を携帯電話で検索し、簡単に着替えて必要な荷物だけを持って家を出た。
歩いてたった五分の距離なのに、今はやけに遠く感じる。
それでもどうにか無事に病院に着いた私は、診察の順番が来ると一通りの症状をまとめて先生に伝えた。