不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
 

「なるほど、症状が出たのは昨夜からということですね。今のお話を聞く限りではウイルス性の胃腸炎かなと思います。お薬処方しておきますね」

「はい……ありがとうございます」


 これで家に帰って薬さえ飲めば、やっとこの嫌な気持ち悪さから解放される。

 だけど思わずホッと息をついたのも束の間、次に先生にされた思いもよらない質問に、私は思わず固まった。


「問診票には妊娠中ではないと書いてありますが、お薬もそのつもりで出してしまって大丈夫ですか?」

「え……」


 先生からすれば、念の為の確認だったのだろう。

 私も体調が悪いこともあり、予め待合室で問診票を記入したときには、特に悩むこともなく【現在妊娠中ですか?】の質問に、いつも通り【いいえ】のチェックを入れていた。

 でも……改めて考えると、絶対に妊娠していないとは言い切れないと気がついたのだ。

 灯と初めての夜を過ごしたのは今から約一ヶ月半前。

 そういえば、最後に生理がきたのはいつだっけ?

 もともと生理不順だったのと、慣れない結婚生活のストレスのせいで生理が止まってしまったのかもなんて思っていたけれど、まさか他に原因があるとは考えもしなかった。


「もし、思い当たる節がおありでしたら、藤嶋さんの体調不良の原因はウイルス性の胃腸炎ではなく、妊娠の初期症状かもしれませんね」

「妊娠の……初期症状?」

「はい。悪阻かもしれないということです」


 まるで雷に打たれたみたいな衝撃だった。

 つまり今、私を苦しめている吐き気と胃の気持ち悪さは、妊娠したことが原因かもしれないということだ。

 
< 47 / 174 >

この作品をシェア

pagetop