不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「まぁ、それはそうだな。ありがとう、俺も気をつける」
「……っ」
その笑顔は先ほど病院でモニターの中の赤ちゃんを見つめていたときと同じか、それ以上に綺麗で無防備な笑顔だった。
途端にドキドキと胸が高鳴りだした私は、戸惑いを誤魔化すようにオレンジジュースのストローに口をつけて目を逸らした。
急にそんなふうに笑われると調子が狂う。
でも、ここ最近、灯は笑うことが増えたような気がするんだ。
もしかして、これもお腹の子のおかげなの?
園宮さんがいたら『そのとおりです』なんて、明朗快活に答えてくれるかもしれない。
「それで……これからのこと、どうする?」
「これからのこと?」
「ああ。前に一度、話しただろ。安定期に入った段階で、両家の両親に妊娠の事実を伝えるかどうかってやつ」
不意に話題を振られて、今度は胸がドクンと不穏に高鳴った。
両親たちに子供ができたことを伝えるかどうか──。
実はまだ、私達は妊娠したことを一番身近な親族である両親に伝えていないのだ。
それというのも私が、せめて安定期に入るまでは報告を控えたいと灯に希望したからだった。