不本意な初夜でしたが、愛され懐妊妻になりました~エリート御曹司と育み婚~
「……って、またマイナス面に落ちてどうする」
あれこれと考えた末に、自分にツッコミを入れた私は改めて実家に向き直った。
「ふぅ……」
深く息を吐いて呼吸を整えたあと呼び鈴を鳴らせば、すぐに母が玄関の扉を開けて出迎えてくれた。
「牡丹、久しぶりね」
「うん……久しぶり。お母さん、元気だった?」
「ええ、元気よ。もちろん、お父さんもね。灯くんは元気かしら? 今日は一緒じゃないのね……って、あら、なんだかあなた少し痩せたんじゃない? ちゃんと灯くんの妻としてやれてるの? 大丈夫?」
矢継ぎ早に尋ねられ、思わず苦笑いがもれた。
母は相変わらずといった感じだ。どうにか押し込めてきたつもりだけど、やっぱり苦手意識が顔を出して、表情が引きつってしまう。
「おお、牡丹、久しぶりだな」
と、私が返事に困っていれば、今度は母の後ろから父が顔を出した。
「そんなところで立ち話もなんだから、家の中に入りなさい」
「あ、ううん、ここで大丈夫。報告だけしたら、帰るつもりだから」
「なんだ、なんの報告だ?」
私は胸の前でギュッと片手を握りしめると、一度だけ小さく息を吐いた。
「実は……私、妊娠したの。今日はその検診の帰りで、今、五ヶ月の安定期に入ったところだから、ふたりに報告に来た」
ドキドキと胸の鼓動がうるさいくらいに鳴っている。
ここに来るまでもそうだったけど、いざ話したら両親がどんな反応をするのか、なんと言うのかわからなくて緊張していた。