今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
どうやって言い訳したらいいのか全く頭に浮かばない。


さっき父にあんなところを見られたばかりだったから余計にパニックになってしまった。


次から次へと、疑われる要素がありすぎるよ。


いくらなんでも、もうごまかしきれないような気がした。


翔くんを見たら拳を軽く握って意を決したように私を見つめている。


「翔……くん」


その凛とした眼差しで彼が今まさに何を言おうとしているのかわかってしまった。


翔くんは本当はコソコソ付き合うのなんて本意じゃない。


たとえどんなことがあっても揺るがない強い覚悟があるみたいに見える。


だけど、私は……どうしたらいいの?


「父さん、母さん。話したいことがあるんだけど」


ああ、もう駄目だ。


彼は私達の関係を全部話してしまうつもりだ。


兄妹なのに付き合っていることも……。


思わず耳をふさぎたくなったけど、私は彼に向かって精一杯やめて言わないでって、目で訴えた。
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