今日もお兄ちゃんの一途な恋に溺れる。
手を繋ぐだけでもこんなにときめいてしまう。


恥ずかしいけど、ちょっとでも肌が触れあうと平常心じゃいられない。


私にとって今の彼は兄というだけの存在じゃないんだ。


「まだ当分は忙しいと思う。でも俺にとっては大事なことだから」


「うん、でも……」


寂しい、これまでみたいにそばにいてほしい。


そう言ったらわがままだって嫌われるかな。


「もう少しの辛抱だから。そうだ、夏合宿の時は一緒にいられると思う。
最終日には海でおもいきり遊ぼうな」


「う、うん。でも」


夏合宿なんてまだまだ先だよ、だって夏休みの最後にあるはずだもん。


「それまではずっとすれ違いのまま?」


私は寂しがりの甘えん坊ってよく言われるけど、その通りだと思った。


でも私をそんなふうにしたのは、他の誰でもない翔くんだ。


子供の頃から、ずっと甘やかしてきたくせに今さら突き放されたらどうすればいいの。
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