双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「あぁ、そうだ。じいじだ」

「ばあばよ」

 次第にふたりの目には涙が浮かび、それを見た双子は慌て出す。

「じいじ、どうしたの?」

「ばあばも、いたいいたいなの?」

 オロオロする双子に私も目頭が熱くなる。

「違うんだ、ごめんね。……じいじもばあばも、星斗君と星七ちゃんに会えて嬉しいんだよ」

「これから仲良くしてね」

 父と母に言われ、双子は笑顔で「うん」と答えると、タタタッと駆け寄ってふたりに抱きついた。

「じいじ、ばあば、いっしょにあそぼー」

「ぶらんこにのる?」

 双子に手を引かれ、ふたりは困惑しながらも嬉しそう。

 まさかこんな日が来るなんて、夢にも思わなかった。だけど手放しで喜んでなどいられない。ふたりとも優星君のことを勘違いしている。早く父と母の誤解を解かないと。

 遊び終わったらゆっくり話ができるように、両親に双子のことをお願いして一度家の中に戻る。
キッチンで飲み物とお菓子の準備をして再び外に出ると、庭先から父と優星君が言い合う声が聞こえてきた。
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