双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「大変だと思うけど優星君なら大丈夫だよ。……頑張ってね」

 泣きそうになるのを堪えながら言えば、優星君は面白くなさそうに言う。

「星奈は寂しくないのか? 俺と最低でも一年は会えないんだぞ?」

 付き合うまでは知る由もなかった。優星君にこんな可愛らしい一面があったなんて。二歳上のあなたの、ちょっぴり子供っぽいところも寂しがりやなところも。

 それなのにごめんね。でも黙ってあなたのもとを去ることを許してほしい。これは優星君のためでもある。

 私と一緒になる未来を選んで後悔してほしくないの。私も優星君に、私と結婚しなければよかったと言われる未来なんてきてほしくない。

「寂しいよ。でも優星君に後悔してほしくないから笑顔で見送りたいの」

「星奈……」

 優星君の目に最後に写る私は笑顔の私でありたい。だから空港で見送る時は絶対に泣かないと決めている。

「なぁ、星奈。初めて自己紹介した時に俺が言ったことを覚えているか?」

「もちろん」

 忘れるわけがない。あの日のことは今でも鮮明に覚えている。両想いになれて、そして深夜遅くまで話をしながらふたりで過ごした。
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