双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
「ママだー!」

「おかいりー!」

 ふたりのこの笑顔を見るとどんな疲れも吹き飛ぶよ。

「遅くなっちゃってごめんね」

 勢いそのままに抱き着いてきたふたりを抱きかかえようとしたけれど、同時には抱き上げることができなくなってしまった。
 代わりにギューッと抱きしめ返した。

 先生からふたりの一日の様子を聞いて荷物を受け取り、車へと戻る。その短い道中で星斗と星七は今日誰と遊んだのか、なにをやったのかを楽しそうに話してくれた。

 ふたりの話を聞きながら車のドアを開けてひとりずつ後部座席のチャイルドシートに乗せていく。

「よし、じゃあ帰ろうか」

「うん!」

「かえるー!」

 両手を上げて答えたふたりに笑いながらドアを閉め、運転席に乗り込みエンジンをかけた。すぐにふたりが好きな童謡をかけて車を発進させる。

 車内はふたりの可愛い歌声が響く中、帰ってからのことを頭の中で考える。

 えっと、まずはふたりを着替えさせてそれから夕食の準備をして……あ、その前に洗濯物を取り込まないと。

 いつも星斗と星七を保育園に迎えにいったあと、家に帰る前に牧場に寄り、明叔父さんと佳代さんに会いに行くのが日課になっている。
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