双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 ちょうどふたりも仕事を終えて、事務所で売り上げの計算などをしている時間だから、五人でお茶をしながら様々な話をしていた。といっても主に星斗と星七の話を私たちが聞いて癒されているようなものだけど。

 事務所近くの従業員専用駐車場に車を停めると、そこには見知らぬ高級車が一台駐車してあった。

 もしかして明叔父さんのお客さんかな? それは定かではないけれどお客様がいらしているのは事実。今は事務所に行かないほうがいいかも。

 そう思い、まずは星斗を車から降ろして星七を降ろそうとしたとき、星斗が一目散に事務所へと駆けていった。

「じいー!」

「あ! 待って星斗」

 急いで星七を降ろすと、星七もまた星斗の後を追う。

「せいとまってー!」

「あぁ、もうふたりとも待ってって言っているのに」

 急いで荷物を降ろしてドアを閉めると、事務所の扉が開いた。その音を聞いて事務所のほうを見ると、スーツを着たひとりの男性が出てきた。

 男性が現れた途端、星斗と星七の足が止まる。そして私は目を疑った。

「う、そ……」

 私は今、夢か幻を見ているのだろうか。そんなことを考えてしまうほどいるはずのない人物が目の前に現れた。

 三年経って随分と大人の男性になっていたけれど間違いない。……優星君だ。

「パパだー!」

「パパがきた!」
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