双子を身ごもったら、御曹司の独占溺愛が始まりました
 沸き起こる怒りを鎮めて腰を下ろした。

「なんと言われようと俺は星奈と結婚する。それと今後、もしなにか星奈に言ったりしたりしたら許さないから」

 すると母は顔を歪めた。

「母親よりもあの女を取ると言うの?」

「あぁ、俺にとってなにより大切にしたい存在なんだ。……それに俺の人生は俺のものであって、母さんのものではない。自分の未来はすべて自分で決めていく」

 立ち上がるとすぐに「優星!」と呼び止められたが、聞く耳持たずにドアへと向かう。

 そしてドアノブに手をかけた時、母が大きな声で叫んだ。

「あんな女との結婚など、私は絶対に許しませんからね!」

 だけど立ち止まることなくリビングを後にして、自分の部屋へ向かった。
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