娘は獣の腕の中
男が魔女を連れて家に着くと、家の入口近くに、見慣れない娘がいるのを見つけた。

魔女は小さく舌打ちをした。

「…俺の家に、何の用だ?」

「ごめんなさい!森で迷ってしまったみたいなんです…夜になってしまって帰れなくて……」

途方に暮れている娘を見て、魔女は男の後ろからずいっと出てきて涼しい顔で言った。

「お兄ちゃん?泥棒かもしれないわ、早く追い出して。」

男はそれを聞き、とんでもない、というふうに魔女を見てから言った。

「なんてことを言うんだ…!そうと決まったわけじゃないだろう?そうだ、名前は?それから……」

男の行動を見て、魔女は静かに首を振って言った。

「あなたの『優しい』のはこういうとき面倒ね…。もう一度言うわ、その子を『追い出して』??」

男の姿は再び獣に変わり、命令されるままに娘に襲いかかった。

「きゃあああ!!」

獣はそのまま娘に乗り上げると、牙を剥き唸り声を上げた。

「ウ…ウゥ……!!」

「た、食べないで…殺さないで…お願い…!!誰か…助けて…!!お、おにい…ちゃ…ん…」

娘が言うと同時に、獣は考え込むように動きを止める。

「え…?わ、私いま…」

発した言葉に自分でも驚いている娘。

魔女はイライラしながら言った。

「何をしているの…?殺されたいのならいいのよ?それが嫌なら今すぐ出て行って!」

娘は魔女の言葉に気圧され、急いでその場を後にした。
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