君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「みーみちゃん。お話しよーー」
「あっ、かわちゃんだぁー!」
エプロンのポケットから取り出したのは、私が園で子どもたちと遊ぶときに使っているかわうそのパペット〝かわちゃん〟。
病院で気が紛れるようにと、出がけに自分のデスクから掴み取って持ってきていた。
普段通りかわちゃんで話しかけると、みみちゃんの顔に笑みが浮かぶ。
「みみちゃん、今日の朝ご飯は何食べてきたのー?」
普段の声よりツートーンほど高い声に変えて、いつも通りかわちゃんを演じる。
みみちゃんは、かわちゃんの丸い頭を小さな手で優しくよしよしと撫でてくれた。
「今日はね、コーンフレークとハムの入った目玉焼きとね、あとオレンジも食べたよ」
「へぇー! 美味しそうだね!」
「かわちゃんはー? やっぱりお魚?」
「うん! 今日は朝から十匹食べたよー」
「えー! 多い!」
ケガをしてから元気がなく不安そうな顔をしていたみみちゃんが、やっと普段通りの明るい声を聞かせてくれる。
心の中で『かわちゃんありがとう!』と思いながら、かわちゃんでみみちゃんの頬にすり寄った。