君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
行き先が決まった車は、すっかり陽の落ちてきた夜の街を滑らかに走っていく。
着いた先は東京湾に面する海浜公園だった。
夜になっても毎日蒸し暑いけれど、海を目の前にして風が幾分あるせいか心地がいい。
通りがかったデッキからはライトアップされ始めたレインボーブリッジや東京タワーが望め、つい足を止めていた。
手すりのすぐそばまで近づき、並んで東京ならではの絶景を眺める。
「今日、断らずに来てくれたってことは、結婚を前提に考えてもいいっていう解釈でいい?」
沈黙を破った久世先生が直球の質問をしてきて、思わずばっととなりの顔を見上げる。
手すりに手をかけ海を望む久世先生は、私の視線を受けこちらに微笑を浮かべた顔を向けた。
目が合ってあからさまに動揺してしまう。
今度は私のほうが海に顔を向けていた。
結婚を前提に──そう言われて、久世先生の言う通りだということにハッとする。
母を少しでも安心させたい一心で今日の席に出向くことを承諾した。
でもそれは、相手側からすればその気があって話を進めたと捉えて当然のことだ。
しかし、そんなことより何より、久世先生がそんな確認することが全く理解できない。