君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
「失礼します」
二番の診察室をノックして、スライドドアを開ける。
みみちゃんの背に手を添えて開けたドアを入ると、デスクの前には濃紺のオペ着に白衣を羽織った男性医師がひとり掛けていた。
入ってきたみみちゃんに目を向け、付き添ってきた私にも一瞥をくれる。
目が合ったのはほんの一瞬だったけど、整った顔に思わず視線を奪われた。
パソコンのモニターに視線を戻した先生に「どうぞ、お掛けください」と言われ、みみちゃんが私の手を一際ぎゅっと強く握りしめる。
「みみちゃん、座ろうか」
できる限り緊張しないように声をかけ、先生の向かいの椅子にみみちゃんを掛けさせた。
私はそのすぐそばに立ち、みみちゃんが不安にならないように努める。
「担当します、久世です。お母さん……ではなく、園の先生ですね?」
「あ、はい。保護者の方がすぐにお迎えに来られない状況で、担任の私が代わりに」
「なるほど。今日はどうされました?」
「はい。園庭で遊んでいたときに、遊具から転落して、後頭部を打ってしまったようで。頭皮に傷もあって、出血もしています。頭なので、早めに診てもらったほうがいいかと思いまして──」