君との子がほしい~エリート脳外科医とお見合い溺愛結婚~
来院の理由を説明しながら、緊張に包まれていくのを感じる。
私の説明を聞く久世先生の目が、じっと話をする私に向けられているからだ。
会話をするためには目を合わせるのは当たり前のことで、普通のことなのに、嫌だなって思ってしまう。
自分が受診をするなら絶対的に女性の先生を選ぶけど、今日はみみちゃんの緊急の受診の付き添いだから仕方ない。
自分を押し込めて、問診に応える。
「──わかりました。じゃあ、その打ったところを見せてもらおうかな」
久世先生が掛けているキャスター付きの椅子を立ち上がる。
腰を上げるとすごく背が高く、身長が一六〇センチあるかないかの私は若干顔を上げないといけないほど。優に一八〇センチ以上はあるのだろう。
小さいみみちゃんはこんな長身の先生じゃ余計に怖くならないだろうか。
「ちょっと見せてね」
みみちゃんの後ろに回った久世先生の邪魔にならないように、少しだけみみちゃんから離れる。
「舞花先生」
しかし、不安になった様子のみみちゃんの手が、私を求めて伸びてくる。
邪魔にならないようにみみちゃんの横で腰を落とし、小さな手を握りしめた。